2007年6月18日(月)08:10

EU憲法論争は依然解決に至らず

ルクセンブルク(ドイツ通信社dpa)

新たなEUの基本条約をめぐる論争は依然、対立に彩られている。EU各国外相は日曜日から月曜日にかけての晩、ルクセンブルクで会合を開き、EU憲法の実質の救済に向けて最後の合意の可能性を探った。

ポーランドはこの外相会合で将来のEUの票決規定を変更するようあらためて主張したが、他の外相からは支持を得られず、孤立した。ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相は、この会合で初めて歩み寄りが見られたと述べた。外相は4時間以上に及ぶ外相会合を終えた後、木曜日と金曜日に開かれる首脳会議を踏まえ、「もちろん首脳会議で私たち全員が望み、また私たちがそれに向かって精力的に努力している成果が実際に得られるという保証はまだない」と語った。

しかしすでにEU憲法を批准した18ヶ国からは、新たな条約で「憲法」の言葉を放棄することに対して理解が得られた。またこれらの国は、国歌や国旗といったEUの象徴に言及しないことも受け入れる姿勢がある、とEU議長を務めるシュタインマイヤー外相は述べた。

しかし一方で憲法支持国は、欧州基本権憲章の法的拘束的性を維持するよう強く主張した。「私たちは今ラストスパートの段階にある」とシュタインマイヤー外相は総括した。オーストリアのウルズラ・プラスニク外相は、個々の点で動きが見られたと述べた。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ベルリン近郊のメーゼブルク宮でポーランドのレフ・カチンスキ大統領との長時間の協議を終え、EU首脳会議決裂の恐れは払拭できないとの見解を表明した。しかしポーランド政府との論争を延期することには反対した。「私は異なる意見が存在するとしか言えない」と首相はルクセンブルクでジャンクロード・ユンケル首相との会談を終えて語った。

ポーランドは依然、EUの票決規定でポーランドに一層のウエイトが認められなければ首脳会議で拒否権を行使すると警告している。しかし他の大多数の国々は票決規定の見直しを拒否している。フランスのベルナール・クシュネール外相は、ポーランドには「ある種の頑なな姿勢」が見られると述べた。メルケル首相は木曜日ブリュッセルの首脳会議でEU憲法問題の解決に向けたロードマップを発表する意向である。EU憲法問題は、2年前から欧州連合の発展を妨げてきた。

メルケル首相は、首脳会議の合意には全加盟国の歩み寄りの姿勢が欠かせないと述べた。「議長国がどの程度の成功を収められるかは、他のすべての加盟国の歩み寄りの姿勢次第である。」メルケル首相は先週末、ヤン・ピーター・バルケネンデ首相(オランダ)およびミレク・トポラーネク首相(チェコ)とも会談を行い、首脳会議の決裂を避けるべく努力を行なった。トポラーネク首相は唯一、「二重多数決制」に反対するポーランドを支持しているが、この問題で拒否権を行使する意思はないと述べている。

原題:EU-Verfassungsstreit bleibt ungeloest




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